電通Photo:PIXTA

「疑惑」残したままの補正予算
予備費10兆円は“憲法違反”

 新型コロナウイルス問題の追加支援策を盛り込んだ今年度第2次補正予算が成立したが、半分の使途が定かでない10兆円もの巨額予備費が計上され、また第1次補正予算(第1次の緊急経済対策)で盛り込まれた持続化給付金の不透明な民間委託問題への十分な説明もされないままだった。

 感染拡大防止の営業自粛などで売り上げや収入が激減した事業者や個人を支えることに主眼を置いたはずの対策だが、役所と癒着した一部の企業のピンハネによる税金無駄遣いの疑念が残る。

 こうしたことが横行するのでは経済再生は程遠い。

財政民主主義の破壊は
議会制度の否定

 6月12日に成立した総額31.9兆円の第2次補正予算は、2つの意味で財政民主主義を形骸化させるものだ。

 1つは、議会が使途を決めずに使える予備費の金額があまりに巨額だからだ。同じ自然災害や大きな不況の時と比べても、額が異常に大きい。