「仕事があった」東京が一変
日本人の流入人口にも暗雲

 一方、日本人の流入人口は2019年度の実績で6.4万人いる。多くは新卒採用だ。しかし、現在の大学4年生の就職活動が遅延し、採用計画の見直しが進む中、来年の流入人口に暗雲が立ち込め始めている。流入は2割減で1.3万人減、3割減で1.9万人減、4割減で2.6万人減になる。

 たとえば、日本人の流入が4割減の3.8万人にとどまり、外国人の流出がこれを越えたとしたら、東京の人口は前年比でマイナスになる。首都圏では、過去に千葉県がマイナスになったことがある。東日本大震災後の液状化・放射能汚染がその原因だった。今回は、仕事を大量に生み出し、雇用する能力が人一倍あった東京で経済活動が縮小するという、前代未聞の出来事が原因になる。

 経済成長の56%を占める個人消費は感染症への恐怖で、かなり収縮してしまっている。これを元通りにするのが先決だからこそ、私は新型コロナによる年齢別の死亡者数を事実として広める必要があると考えている。

 死亡者数は0~19歳でゼロ、20~59歳で32人(2020年6月10日時点)に過ぎない。亡くなるのは持病がある人か高齢者にほぼ限られ、現役世代の致死率はゼロに近い。だから、現役世代が恐れずに、仕事のたくさんある東京で働き、経済を盛り上げてくれることに期待せざるを得ない。この認識が遅れるほど、経済回復への道のりが長くなる。人はコロナの悪い記憶を忘れるまでに通常2年ほどかかる。それを待っていたら、独り勝ちしてきた東京も安泰とは言えない状況にある。