当然、日本にいる外国人は労働者だけに限らない。2017年末時点で国内にいる中長期在留者は223万2026人、そのほか、在日韓国人・在日朝鮮人を中心とする特別永住者32万9822人を合わせると、256万1848人に達し、国・地域では195にのぼる(法務省調べ)。

 増加が著しいのは、ベトナム、ネパール、インドネシアの3カ国だ。特にベトナムは前年比で30%以上も増え、フィリピンを抜いて3位となった。

 自治体で在留外国人の人数が最も多いのは東京都の53万7502人。全国の2割以上を占め、これに、愛知県・大阪府・神奈川県・埼玉県が続く。外国人は都市部だけでなく、日本全国で増加中だ。その数は、長崎県を除く46都道府県で前年末を上回り、各地に外国人コミュニティも誕生している。

人材の多様化が進んでいるのは、「働く人」に限らない

 外国人労働者に限らず、日本社会では、いま、「働く人」の多様化が急速に進んでいる。

 例えば、女性。2018年の女性の就業率は全年齢ベースで51.3%となり、50年ぶりに5割を超えた(総務省調べ)。また、女性の就業者増加数は約87万人で男性(約45万人)の2倍近い。

 50年前は農業や自営業などの家業で働く女性が多かったが、いまは企業などに勤務する女性がほとんどである。人手不足とともに、育児と両立して働きやすい環境作りが一定程度進んでいるからだろう。日本における女性の社会進出は道半ばだが、数字や実例を見ていけば、着実に変わりつつあることは明らかだ。

 高齢者や障がい者の就業も進んでいる。

 2019年1月時点の日本の労働力人口=約6793万人のうち、65歳以上は862万人にのぼり、労働力人口総数に占める割合は12.7%と年々上昇し続けている(総務省調べ)。

 障がい者についても、2019年時点で約56万人が民間企業で働いており、16年連続で過去最高を更新した(厚生労働省調べ)。障害者雇用促進法において、民間企業で2.2%、国や地方公共団体・特殊法人などで2.5%の雇用率が義務づけられており、さらに2021年4月までにこの数字が引き上げられる予定だ。