プロは片づけの現場で
収納グッズを“先買い”しない
私は普段、片づけでお悩みのご家庭を訪問し、整理収納のコンサルティングと作業を行っています。事前の下見などは行わないため、訪問したその日にお悩みをヒアリングし、収納見直しの提案・作業を行い、3時間で成果を出すことを求められます。どんな収納用品が必要かは、当日作業をしてみないとわからないので、事前に収納グッズを準備しておいてもらうのは難しく、現場は常に、その場の“ありもの”勝負です。
みなさんは「片づけよう!」と思ったとき、先に入れ物になるカゴやケースなどを買っていませんか?
正直言って、この方法はあまりおすすめできません。
どのような収納グッズがどれくらい必要なのか分からないので、中途半端なものをつい多めに購入してしまいがちですし、いざ使おうと思ったときに、使いたい場所に対してサイズや機能が合わない、などのミスマッチも起こりやすくなります。
期間限定のセールで、思い切ってまとめ買いすることで片づけのモチベーションを上げる、という方がいるのもわかります。しかしながら、結果として、購入してしまったグッズに振り回される方をたくさん見てきた私としては、やっぱり収納グッズの先買いはおすすめできません。
実は、大きな収納家具、チェストなどの基本的な収納場所さえあれば、その中の細かいカスタマイズは、その場にあるものでそこそこ賄えることが多いのです。足りない場合も、いったんありもので試してから本当に必要なものを選んで買った方が、失敗がなく効率的です。
今回は、私が現場で実践している“ありもの収納のテクニック”を解説します。