米国は包括型車両保険加入で
暴動などの被害も対象に

 日本の場合は車両保険に入っていても、戦争や内乱、暴動による被害は対象外だ。

 米国の場合は「保険の種類によっては、補償される」となる。米国は、日本の自賠責保険(強制保険)に相当する自動車保険最低補償条件が州ごとに定められている。これは対人・対物を補償する保険で、カリフォルニア州の場合対人1名当たり1万5000ドル(1事故当たり3万ドルまで)、対物は1事故当たり5000ドルが補償される。基本の保険しか契約していなければ、車両の損害は補償してもらえない。基本だけの契約で年間保険料は、安い場合で500ドル(約5万5000円、州により大きく異なる)前後。

 それでは不十分だから、任意保険に該当する「盗難、車両、自損、無保険ドライバーとの事故」などの項目を付け足す。注目は、米国には暴動などによる被害も補償する包括型車両保険がある点だ。カリフォルニア州の場合、この車両保険を加えると基本だけの保険に比べて3倍程度にアップする。事故歴や飲酒運転歴などがあると、割増になる。

 保険会社によると「包括型車両保険に入っていることが暴動での被害をカバーする唯一の方法だが、その権利を受けるためには、もちろん暴動以前に保険に加入しておく必要がある」という。

 ミネアポリスで起きた暴動は、ほぼ同時にロサンゼルスなどにも飛び火し、その後全米140以上の都市に広がった。いつどこでデモが起きるかわからない、SNSなどを通じて急に人が集まるケースも多かった。そのため、突然自分が住む地域で大規模な過激デモが起きて商店やクルマが被害に遭う、というケースも多かった。ロサンゼルス、ニューヨークなどの大都市部ではゲリラ的に暴動が発生し、防御が後手に回ったところも多い。

 アメリカ保険情報機構によると、車両保険に入っているドライバーはアメリカ人全体の約3分の2だという。意外に多い数字だが、これはリース契約などで車両保険の加入を義務付けているメーカーが多いことも関係するだろう。ただしひと言で車両保険といってもカバーされる限度額は保険料によって異なる。また免責額にもかなりの幅がある。