5月の経済指標は厳しい結果
しかしサプライズではない
4月に続いて5月の経済指標も厳しい結果となった。輸出数量は3ヵ月連続、生産は4ヵ月連続でそれぞれ減少し、どちらもリーマンショック後の最低水準に近づいた。失業率の上昇と、有効求人倍率の低下も続き、雇用環境は急速に悪化している。
もっとも、5月までの景気の悪さは覚悟していたことであり、サプライズではない。新型コロナウイルス感染拡大によって経済活動が止まっているのだから、生産、消費、雇用、さらに企業収益と、さまざまな経済指標が急落するのは当然だ。
ここまで経済活動が落ち込んでしまうと、2020年(度)の経済成長率は、かなり大幅なマイナスになりそうだ。8月中頃に発表される4~6月期のGDPは、3四半期連続で大幅なマイナス成長となり、昨年7~9月期の水準を取り戻すには、かなり時間がかかりそうだ。
景気に対する見方は、一段と悲観的になるかもしれない。しかし、今年前半の景気の落ち込みは、もう起きてしまったことだ。分かり切っている景気の厳しさを強調するより、いつ景気が持ち直してくるのかを考える方が大事だ。