新型コロナウイルスの感染拡大により、日本の経済、社会は大きな影響を受けている。こうした中で「これからの日本の雇用や働き方がどうなるのか」という議論や、さまざまな言説を耳にするようになった。今回は、過去のデータをひもときながら、今後の日本の変化を考えてみたい。(パーソル総合研究所 小林祐児)
コロナショックで
日本の雇用・働き方はどう変わるのか
新型コロナウイルスにより、経済・社会全体に地球規模の危機が訪れている最中、日本の雇用・働き方にも大きな変化が起こっている。予断の許されない状況ではあるが、ウイルス拡大の様子を見ていても、中長期的に影響が大きくなるのは間違いない。
そうした状況を受け、世間では働き方や雇用のあり方が「ガラリと変わる」タイプの言説が目立つ。東日本大震災時にもあった、「○○2.0」「○○シフト」といった物言いが流行している。だが、そうした「大変革」をあおる声の中には、近年の流れが同じ方向のまま「加速していく」ものと、「逆方向にふれる」ものが混在しており、議論も錯綜(さくそう)している。もう少し地に足のついた議論をするためにも、データに触れながら整理しておくことが必要だ。ここでは、「マクロレベル」「雇用レベル」「働き方レベル」の3つのレベルに分けて整理していこう。