世界経済とコロナ
大恐慌以来とも言われる不況に陥った世界経済。年後半に光は見えるか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

感染者数は減少傾向だが
完全な封じ込めは成功せず

 新型コロナウイルスの感染拡大から半年が過ぎようとしている。感染者は188の国と地域に拡大し、800万人を超えた。感染が拡大した国では人の移動に制限をかけ、経済活動を抑制した。その結果、2020年前半の世界経済は急失速し、大恐慌時以来ともいわれる不況に陥った。

 比較的早い段階で感染者が拡大し、経済活動を抑制した地域では、感染者数が減少傾向を辿り始めている。新規感染者数が減少し、医療崩壊の危機が低くなったことで、各国政府は経済活動とのバランスを模索する動きへとシフトすることが可能になった。中国では2月半ばから、その他の主要国でも5月には移動制限を順次緩和し、経済活動は再開し始めている。

 経済活動が再開された地域では、その効果が経済指標にも表れている。中国の経済指標の多くは、2月をボトムに持ち直しに転じた。米国では、5月の小売売上高が前月比+17.7%と、過去最大の伸びを記録した。

 しかし新型コロナウイルスは、発熱などの症状が出ない感染者からも他者に感染させる可能性が高いともいわれ、完全な封じ込めには成功していない。

 連日5000人以上もの感染者が確認された欧州主要国の感染者数は、4月にピークアウトし始めたが、それでも毎日数百人の感染者が確認されている。米国では、いまだに連日2万人前後のペースで感染者が増えている。5月に入ってからは、海外からの入国者以外に感染者が確認されていなかった中国でも、ここへきて北京市内で新たなクラスターの発生が確認された。

 感染者の増加傾向が続いている地域もある。インドをはじめとした南アジア、ブラジルなど南米では、新規感染者数の増加傾向が続いている。中東も同様で、新規感染者数が一時減少傾向を辿ったイランなどでは、流行の第2波に見舞われ、感染者数が再拡大している。世界全体で見れば、新規感染者数の増加傾向はいまだに続いている。