車椅子に乗りたいほどの膝痛
原因は「太りすぎ」だった
敏腕広報マン・ユタカさん(仮名・55歳)の武器は、華麗なる人脈と軽快なフットワークだ。独身である上に、仕事関係者との会食代はかなりの金額まで接待費として認めてもらえる立場にあるため、ほぼ毎夜のように外食を続けている。
もちろん会社に対して、会食で使った金額の数百倍かそれ以上の利益をもたらしてきたという自負がある。広報活動には何より、多方面との日頃からのコミュニケーションが大切だからだ。周囲には、「美食漬け」の日々をうらやましがったり、ねたんだりする人間もいるが、「『いいな』と思うなら一度代わってほしいよ。毎日外食を続けるのは、はたで見ているほど天国じゃない。ダイエットは難しいし、健康不安もある。うまいものは脂肪と糖でできているっていうじゃない。あれ本当だから」と思っている。
実は10年ほど前から、もう一つの武器である「フットワーク」に支障が出るようになった。階段の上り下りや歩行時に、膝がひどく痛むのだ。
隠れた名店は、路地の奥まったところにあることも多い。大通りでタクシーを降りて歩き出したはいいが、思いのほか遠いときはイヤになる。膝がズキズキと痛み、クウーっとうなり声をあげてしゃがみこみたくなる。経験者でなければわからない痛みだ。社内の移動すら、できることなら車椅子に乗りたいほどだった。