自営業、フリーランス、非正規雇用で厚生年金未加入者は
年金保険料+個人の資産形成をすべきだ

 繰り返すが、これはサラリーマンの場合には、まずそういう事態は起きない。なぜならサラリーマンであれば保険料が未納になることはないからだ。ところが自営業、フリーランス、そして非正規雇用で厚生年金に入っていない人は、自分で年金保険料を納めないと、将来非常に困ったことになるということは知っておくべきである。特に厚生年金に加入しているサラリーマンとは違い、自営業やフリーランスは国民年金にしか入れないので、将来の年金額もサラリーマンに比べるとかなり少ない。

 筆者の知人で年をとって生活保護に陥った人たちの自立支援をしている人がいる。その人によれば、高齢になって生活保護になってしまうのはその多くが元自営業の人たちだそうだ。サラリーマンと違って自営業は収入が不安定な上に、将来の年金額も少ないのだとしたら、年をとって悲惨な状況になるリスクは大きい。しっかりと収入のある時に年金保険料をきちんと払い、その上に自助努力で将来に備えておくことは重要である。自営業にはそのためにサラリーマンには無い有利な税制の資産形成制度があるのだから。

 筆者は公的年金にさえ入っていれば老後は何の心配もない、とまでは言わないが、少なくとも全ての人にとって公的年金は、老後生活を支える土台になっていることは間違いない。であるならば、土台をしっかりと築くために払うべき保険料はしっかり払うべきだ。まずは公的年金の金額を知り、その上でサラリーマンなら自社の退職給付制度がどうなっているかを知った上で、自助努力による資産形成を考えていくのが正しい老後の備えである。順序を間違えないように注意することが大事だ。

(経済コラムニスト 大江英樹)