日本中が新型コロナウイルスに翻弄された時期に実はガラガラだった病院や診療所、ユーチューブやワイドショーを賑わす“コロナ芸人”の医者たちの正体、医師免許を取ったときには想像もしていなかった“失職危機”――。 特集『コロナで激変!医師・最新序列』(全12回)の#7では、ツイッター医師たちが、一般メディアでは決して報道されない本音と医者という職業の行く末を、身内への忖度なしに語り尽くす。(聞き手/ダイヤモンド編集部 野村聖子)
不要不急の受診減にあえいだ数カ月、コロナバブルに群がる“芸人枠”の医者は黙ってろ!
――コロナの業務への影響はいかがでしたか。
D 2月から3月上旬はコロナ関連業務の医師が、バイト先病院に来ないで欲しいと言われた案件の代打等で忙しかったんですけどね。東京からの医師派遣はお断りだけど、埼玉の医師はOKとか(笑)。3月下旬には仕事は減りはじめて、更に株で失敗した先生が死に物狂いで案件を奪いあうようになって、4、5月は悲惨。そのかわり執筆業の仕事はバブルでした。
C 僕もD先生と同じフリーランスで、週4回、それぞれ違う職場で読影(レントゲンやCTなどの画像診断)の仕事をしています。3月くらいから株価が下がって慌ててはいたんですが(笑)直接仕事に影響してきたのは4月から。緊急事態宣言でまず一つの職場が一時的に閉鎖、別の職場は常勤だけで回せるようになり、非常勤が全員切られ、週4日のうち2日、仕事が無くなっちゃいました。
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D コロナの画像って見ました?
C 週2で行ってる総合病院がコロナ受け入れ病院なので、緊急事態宣言後にちょくちょくコロナのCTが出てきてました。正式な名称ではありませんが「マリモサイン」(写真参照)という初期のコロナ肺炎に特徴的な所見が見られることがあって、ツイッターでは話題なんですよ。普通の肺炎ではあまり見られない所見です。
その病院は奇跡的に非常勤切りがなかったですけど、本当に暇で。出勤しても1日半分も働いてないような状況が続いてました。
D 我々フリーランスは雇用の調整弁ですからね。C先生は不動産賃貸経営もしてるけどそっちは?
Illustration:PIXTA 拡大画像表示
C 4月から賃料減免要請が来た上に、貸してるテナントが休業要請で休んだり、2部屋が退去になったりで、こっちも結構痛いです。
B 僕は開業してちょうど10年。耳鼻科って、毎年3月が突出して患者数が多い月なんですね。4月5月6月で減って、9月が底で、冬にかけてまた増えていく。その差が倍以上あるくらい季節変動のある科なんですけど、その3月にコロナ騒ぎが(笑)。うちはまだ10年目なのでまだ耐えられる体力もあるんですけど、開業して1、2年のときにこれがきたら、ちょっと死活問題なんじゃないかと思います。
A 僕のところは大学病院なので、もともと不要不急の受診は勧めないということで、コロナの時期は患者さんに電話再診を促して、待合室の混雑を防がなければいけないという風に動きました。結果、病院としては明らかに減収になったと思われます。幸いそれが直ちに減俸にはならないですけど、病院以外に診療に行っている外勤先から「来るな」と言われたというのはありましたね。