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近年破竹の勢いだったフリーランス医師が消沈、斜陽と思われていた診療科が息を吹き返す――。コロナ禍はこれまであった診療科の序列を変え、さらに医師のキャリアパス選択にも影響を及ぼしそうだ。『コロナで激変!医師・最新序列』(全12回)の#10ではコロナ後の現場の新序列を予想する。
(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

「週刊ダイヤモンド」2020年6月27日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

勤務医と開業医が依然メジャー、それでも多様化が進む
医師のキャリア 

 過酷な受験戦争に耐えた末に勝ち取った医学部への切符。親子そろって、まるで人生の最高潮を迎えたような気になってしまうのも無理はない。しかし、医学部入学は一人前の医師になるための、足かけ10年に及ぶ長い道のりのスタート地点にすぎない。

 医学部で6年、医師国家試験に合格した後は、研修医としての修業期間が最低でも4~5年。医学部に現役で合格していても、一人前の医師として独り立ちする頃には30歳近くになっているのだ。

 これは近年増加している女性医師にとっては、結婚や出産適齢期を考えると悩ましい問題。

 キャリアとワークライフバランスの板挟みで、この時期に第一線を退いてしまうケースもあり、研修期間の短縮を求める声もある。

 医師の働き方で最もなじみ深いのは、病院に勤務する勤務医と、市中で診療所を経営する開業医だろう。

 テレビドラマ「ドクターX」でその存在が一躍知れ渡ったフリーランス医師は、勤務医でも開業医でもない第三の勢力。

 自由な働き方で、勤務医よりも稼げると一時急増したが、コロナによる医療機関の経営難で真っ先に切られたのも彼らであり、「景気の調整弁」になるという意味では、医師といえども他の職業と変わりはないようだ。

 診療しないグループでは、医学の基礎研究に携わるのが王道だが、近年の日本では大学も企業も研究費が乏しく、採用枠が少ないのが難点。医師という肩書を生かし、起業する者も珍しくない。一昔前に比べて、医師のキャリアは確実に多様化しており、今後も新しい働き方が生まれていきそうだ。 

 医師にとって、働く場所以外にもう一つ重要な要素が「診療科」。次ページからは、アフターコロナの診療科事情を解説する。