東京オリンピック・パラリンピックに向けた再開発や公共インフラの設備などの旺盛な建設需要によって、近年の建設業界は「我が世の春」を謳歌してきた。そんな業界をコロナ危機が襲った。建設工事の一時的な中断や閉所に追い込んだだけで終わらない発注者の設備投資の見直しは、ゼネコン間の受注競争に拍車を掛けることになる。そして業界再編は新たな局面に入る。特集『バブル崩壊 ゼネコンwithコロナ』では、7月20日(月)から25日(土)までの全7回で、ウィズコロナ、アフターコロナのゼネコン市場に迫る。(ダイヤモンド編集部 松野友美)
#1 7月20日(月)配信
大成建設「本社社員コロナ死」隠しの真相、新宿住友ビル工事でも感染者
大手ゼネコンの大成建設は7月15日、都内建設現場で従業員15人を含む17人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。それ以前は状況を一般に公表せず、積極的な工事中断方針も掲げてこなかったが、実はすでに社員の感染死や工事現場での感染は起きていた。
#2 7月20日(月)配信
大成建設、ブラック社員情報が下請け職人に出回る「過去最低の現場」の惨状
大成建設の現場を担当する“要注意”の同社社員について、現場の下請け職人たちは人物情報を口コミで共有している。コロナ感染者が発生した新宿住友ビル改修工事には、「過去最低の現場」と評された都内工事で要注意人物とされる社員がいた。
#3 7月21日(火)配信
「建設会社179社経営危険度ランキング」東急建設9位、1位は?
コロナ危機の影響が遅れて表れる建設業界だが、キャッシュを生む力が弱く、必要運転資金や有利子負債が重ければ、今後の経営リスクは高くなる。最新決算から上場建設会社の経営危険度をランキングした。
#4 7月22日(水)配信
ゼネコン・建設182社「PBRワーストランキング」、4分の3が1倍割れ
株式市場で建設業は割安銘柄が多い。上場建設会社のなんと7割超は、株式時価総額が解散価値を下回ることを示す、PBR(株価純資産倍率)1倍割れになっている。建設会社をPBRでランキングした。
#5 7月23日(木)配信
大手ゼネコンが中堅のシマ荒らし!安値受注競争が不可避な理由
五輪に合わせた再開発案件が終わって競争が激化するタイミングでのコロナ危機。感染拡大を受けてゼネコンの受注活動は一時ストップしたが、ここからの競争はより激しいものとなる。大手が準大手や中堅ゼネコンのシマでも受注獲得を狙ってくるのだ。
#6 7月24日(金)配信
戸田建設、西松建設…アクティビストが狙う建設株、旧村上ファンド系も警戒
ゼネコンが恐れる投資家はどこなのか。建設株を狙うのは外資系のアクティビストだけではない。旧村上ファンドの流れをくむ投資会社や投資家も、建設株の買い増しを進めている。
#7 7月25日(土)配信
鹿島・大成建設・清水建設…ゼネコン27社の「受注高消滅」ラッシュ
2019年度は踊り場で、20年度から再び好転すると見込んでいたゼネコン業界の景況感はコロナで一変した。業界には楽観論者も多いが、主要会社の受注高は実績も予想も「減少」ばかりだ。
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