ゼネコンwithコロナ#4
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株式市場で建設業は割安銘柄が多い。上場建設会社のなんと7割超は、株式時価総額が解散価値を下回ることを示す、PBR(株価純資産倍率)1倍割れになっている。特集『バブル崩壊 ゼネコンwithコロナ』(全7回)の#4では、建設会社をPBRでランキングした。(ダイヤモンド編集部 松野友美、竹田孝洋)

アクティビストが狙う建設株は
PBR1倍割れの銘柄

 新型コロナウイルスの直接的な影響が他業種と比べてまだ小さいゼネコン業界で、この間に買収が進むという見立てが飛び交っている。

 これまでも大手ゼネコンは、海外事業を強化するために、海外の建設系企業を買収してきた。しかし、この局面のターゲットは従来の建設会社ではない。IT系だ。

 ゼネコンとITベンチャーが技術協力しているケースは多い。大林組、鹿島、清水建設などの大手は米国のシリコンバレーに拠点を置いたり社員を派遣したりして、スタートアップ企業の情報を収集してきた。

 国内でも、大手の竹中工務店や準大手の安藤ハザマなどが、スタートアップ企業を中心とした支援プログラム(ビジネスコンテスト)を用意して、資金や技術協力の援助先を募り始めた。

 これまでIT系の買収は価格が高かった。しかし、コロナ危機に揺れる今、値頃感が出てきている。「資金繰りが悪化し、弱ったところを買おうと狙うゼネコンは多い」とあるゼネコン幹部は明かす。

 買収に動きそうな筆頭は大林組だと、別のゼネコン幹部は予想している。

 大林組はコロナ対策として手元資金を厚めに用意している。従来数百億円だったコミットメントラインを倍増させる予定があり、キャッシュフローの状況は良好だ。「コロナ対策と言いながら、本当は新規事業などの投資枠を確保する狙いではないか」と前出の幹部はみているのだ。

 大手ゼネコンは近年、工事の自動化などITへの投資に注力してきた。彼らの関心は同業の買収ではなく、技術革新につながる買収なのである。

 一方で、国内でのM&A(企業の合併・買収)を伴う業界再編は、準大手以下が中心となり、コロナ危機でさらに再編が加速するのではないかとうわさされる。