大手ゼネコンの大成建設は7月15日、都内建設現場で従業員15人を含む17人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。それ以前は状況を一般に公表せず、積極的な工事中断方針も掲げてこなかったが、実はすでに社員の感染死や工事現場での感染は起きていた。特集『バブル崩壊 ゼネコンwithコロナ』(全7回)の#1では、大成の「社員コロナ死隠し」の真相を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 松野友美)
大成建設が工事現場での17人コロナ感染を発表
実は社員の感染死と他の現場での感染もあった
大手ゼネコンの大成建設は7月15日、都内建設現場の作業所で働いていた社員11人と派遣社員4人、現場に出入りしていた専門工事業者2人の合計17人が新型コロナウイルスに感染していることが分かったと発表した。
現場は日本郵政本社ビル改修工事(霞が関1-3-2)とみられる。改修後のビルには、環境省本省と原子力規制委員会が入ることになっている。
当該の現場は、すでに閉所していて、工事再開時期は分からない。工事中断の影響を受ける専門工事業者に対する休業補償については個別に協議するといい、大成から補償が出るのか、また出たとしても補償の金額は幾らなのか不明だ。
コロナ感染規模が大きいことに加え、庁舎ビルであれば、民間企業のビルよりは感染事実を公表しやすかったのだろうと推察される。というのも、これまで大成は現場の感染状況を一切公表してこなかった。それどころか社員2人がコロナ感染により亡くなり、他の都内現場で感染が発生していたことが、ダイヤモンド編集部の取材で分かったのである。