中国ではコロナ収束後もマスク姿の人が多い。中国・上海市の国際展示会で中国ではコロナ収束後もマスク姿の人が多い。中国の福祉関係の国際展示会で、筆者の友人が撮影

新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の生活や行動パターンを一変させた。そして、日本でも「ウイズコロナの時代」に対応すべく、生活もビジネスも新しい常態、「ニューノーマル」という考え方が声高く提唱されている。世の中には、新しいことがどんどん生まれてきて、コロナが収束してからも、われわれの生活は「大きな変化をもたらすだろう」と予測されている。本当にそうなのか。いち早く、コロナの感染を封じ込めることに成功し、経済活動が回復している中国の今の様子は、コロナ禍以前と比べて、何が変わって、何が変わっていないのか、まとめてみた。(日中福祉プランニング代表 王 青)

中国で進んだ「日本の習慣」
マスク着用やお弁当

 中国は3月末からいち早く政府による徹底的な管理・抑制策で感染拡大を封じ込めてきた。6月中旬には北京で再び感染者が出たが、現在はすでに収束しつつある。最近、毎日1桁以内の新規感染もすべて国外からの移入による症例であり、総じて中国全土がコロナをコントロールできる状況にあるといえる。

 筆者は日本に在住しているが、仕事の関係で、中国、特に上海在住者との連絡のやりとりが多い。その相手は、行政や地元の国有・民間企業、日本の現地進出企業の勤務者が多い。このごろ、テンセントやZoom会議などオンラインによる打ち合わせを重ねている。そこで、仕事の話が終わってからの「雑談タイム」で、今の上海の日常の様子を聞かせてもらった。