レアル・マドリードは久保を離さない

 超のつくほど分厚い選手層へ、日本人選手が風穴を開ける挑戦を見てみたい。ただ、19歳になったばかりの久保の将来を考えたとき、マジョルカで刻んだ軌跡がそうであったように、今はできるだけ多くのプレー時間をピッチで積み重ね、手応えや課題を自身にフィードバックする作業が不可欠となる。

 ならば、ベストのシナリオはマジョルカよりレベルが上がるクラブで、さらなる武者修行を積むことになる。違約金を他のクラブが手を出せない2億5000万ユーロ(約308億円)に設定していることからも、マジョルカで無限の可能性を示した久保を手放す意思はレアル・マドリードにはない。

 将来の復帰を考えれば言葉の壁が存在しない同じラ・リーガ1部勢で、ヨーロッパの大会にも出場できるクラブがベストとなる。2019-20シーズンで6位に入り、来シーズンのUEFAヨーロッパリーグへの挑戦権を手にしたレアル・ソシエダは、新たな期限付き移籍先候補として早い段階から名前があげられてきた。

 さらに最近になってレアル・ソシエダより上の4位に入り、最高峰の戦いとなるUEFAチャンピオンズリーグへ出場できる強豪セビージャが急浮上したとも報じられている。いずれにしても、短いオフで再開後の過密日程で蓄積した疲労を取り除いた久保が、新シーズンへの英気を養ってから全てが始まるだろう。

 EU外枠という自力ではどうにもできない壁を前にして、それでも「全ては自分次第」と覚悟と決意を新たにしている久保は、どの道に進んでも、日本でプレーしていた時から思い描く「ひと言で表現すれば『すごい選手』になりたい」という夢を成就させる道を突っ走っていく。