このご時世、特に自粛を求められているのが「夜の街」で遊ぶことである。夜な夜な、足しげく町に繰り出していたおじさんたちは、今どうしているのか。(フリーライター 武藤弘樹)
抗しがたい夜の街の魅力
夜の街好き男性、自粛の実態とは
コロナ禍で大打撃を被った業界のうちの一つが飲食店である。ただでさえ客足が遠のいているところに、営業時間の短縮や休業要請によって営業を制限するという各自治体の方針なども利用客に「やはり飲食店は危険だ」という認識を持たせ、ますます客足が遠のいた。非常事態下のことゆえ仕方ないといえばそれまでだが、飲食店経営サイドの当事者には「仕方ない」などの簡単な言葉では決して片付けられない無念さがあるだろう。
一方、視点を移して、利用客側はどうか。「飲みに行けない、外食できない」でフラストレーションがたまる状況にそれぞれ奮闘の末活路を見いだした人、たとえば以前「『あつまれ どうぶつの森』で社会人サークルに入って輪を広げ、楽しむ陽キャ女性」(記事参照)を紹介した。ほかにも「ネット対戦の将棋にドはまりした男性」や「DIYに精が出て家具が充実してきているパパ」などがいるようである。このような人たちは感染拡大防止の観点からは模範的な市民の立ち回りである。
ならばもっと視点を限定して、夜の街好きのおじさんはどうか。下戸の筆者は夜の街の魅力に疎いが、夜の街たるものは好きな人にとっては抗しがたき引力を放っているようであり、元々それが好きな中年男性はどのように「行きたい」衝動と戦っているのか、あるいはもはや戦わずして「行っちゃっている」のか。彼らは自粛期間中に何をしていて、緊急事態宣言解除後かつ第2波の緊張感真っただ中の今はどのように過ごしているのか。その実態を表すいくつかのケースを紹介したい。