イータ・オブライエン(Ita O'Brien)という名前を聞いたことがない人も、海外ドラマ好きの方なら彼女の関わった作品を観たことがあるはずです。オブライエンは、「インティマシー・コーディネーター」という最近ハリウッドで一般的になってきている仕事の先駆者であり、映画やドラマの撮影現場でセックスシーンの演出を担当しています。
業界で求められているこの困難な仕事に含まれるのは、演技の指導だけではありません。同意やコミュニケーションのために常に話し合い、脚本家や監督のビジョンを尊重しながらも、俳優の安全を確保しなければなりません。
#MeToo運動やハリウッドで横行する性的暴行やハラスメントへの反対運動を受けて、インティマシー・コーディネーターは映画やテレビの撮影現場に欠かせない存在となっています。しかし、オブライエンは「俳優の安全を守る方法を標準化するまでにはまだまだ長い道のりが必要で、業界ではまだこの役割が飽和状態に達しているとは言えない」と考えています。