写真はイメージです。Photo: Adobe Stock

事業部人事とは、営業や生産などの事業部門を「元気」にすることを目的として、人事制度・人材開発・組織開発などの諸サービスを事業部門に提供する、「ひとと組織のプロフェッショナル人材」を指す。経営者や事業責任者のパートナーとして、ひとと組織の面から事業成長の実現、課題解決を求められるため、「HRビジネスパートナー(HRBP)」とも呼ばれる。従来の人事部が、本社人事部として中央集権的に人事制度の構築と運用を担っていることとは対照的に、日々課題が生まれる現場に入り込み、その課題解決を支援することをめざしている。

本連載では、中原淳氏(立教大学教授)が導入企業の人事責任者などと対話し、日本でも広まりつつある事業部人事の現状と将来の可能性について明らかにする。中原氏は、「これからの人事は、『事業部を元気にする人事』や『事業部のトップをサポートする人事』が今まで以上に求められる」とする。

第1回は、HRBPを導入した組織体制やグローバル人事制度の構築などで高い成果をあげているカゴメCHO(最高人事責任者)有沢正人氏にお話をうかがった(対談は前後編の2回でお届けする。今回は前編)。(構成:谷山宏典)

HRBPの役割は
経営と現場とのブリッジ

中原 最近、新しい人事のあり方としてHRビジネスパートナー(HRBP)が注目されています。事業部のさまざまな課題を解決したり、事業部の活性化を担ったりすることをめざしている会社が多いような気がします。カゴメがHRBPを導入したのは2017年度からですよね?

有沢 はい。2017年度から導入し、現在は3名の社員にHRBPを担ってもらっています。3名はそれぞれ異なる部門を担当し、1人が営業部門、1人が生産調達部門で、この2つがカゴメの二大事業部門です。残りの1人には、それ以外のスタッフ部門を全般的に見てもらっています。また、社内的には、HRBPと言っても通じない人が多いので、「人材育成担当」という名前で呼んでいます。