写真はイメージです Photo:Adobe Stock

在宅勤務、リモートワークにすっかり慣れた私たちは、これがウィズコロナ時代の働き方として定着するだろうと予感し始めている。そして、この新スタイルについて企業側も「労働生産性が上がる、いい働き方だ」と前向きだ。オフィス・スペースを大幅に削減する、と表明する大企業も多い。しかし、職場内でのコミュニケーションが希薄になることへの警戒感は、あまり指摘されない。危険なのは、これまでは当たり前にあった働く人の「心理的安全性」が失われかねないことだ。(構成:フリーライター:間杉俊彦、写真:大崎えりや)

ある種の「ムダ」を大切にしてきた
これまでの働き方 

 ヤフーは2012年から1on1ミーティングを制度として開始しました。その目的は、経験学習を回すことで社員の成長を促すことにあります。人材の「才能と情熱を解き放つ」というスローガンが、その真意を表しています。その考え方は今でも変わっていないのですが、ウィズコロナ時代の1on1について考えた時、人材育成という目的に加えて、心理的安全性を確保するという視点が重要性を増すように思います。なお、ここでいう「心理的安全性」とは、エイミー・エドモンドソンやグーグルがいう「心理的安全性」ではなく、私たちが「心理的安全性」と聞いて思い浮かべるような、安心して仕事ができるというような広義のイメージです。

 連載の最終回は、このことについて考えてみたいと思います。それは、今こそ1on1が必要だ、というメッセージでもあります。

 これまで私たちは、日々会社に通勤し、仕事に励んできました。仕事の合間には同僚と雑談をしたり、仕事が終わると時には会社の仲間同士で食事に行ったり、通勤途中でどこかに立ち寄ったりしていました。つまり、今までの私たちは、ある種の「ムダ」を大切にしてきた、と言えると思います。それが日常生活のメリハリになり、リフレッシュの機会にもなっていたからです。

 ところが、コロナ渦によって、そうした会社の日常がすっかり変わってしまいました。