ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の置き換えが簡単だとは誰も言わないが、多くの規制当局者や投資家は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)などの混乱にもかかわらず、この面倒な移行プロセスが予定通り進むと主張している。LIBORは長年市場で利用され、何兆ドルもの金融商品が連動しているが、2021年末で置き換えられる予定だ。政策担当者や規制当局者はLIBORの機能性が低く、操作されやすいと判断し、廃止へ向けて動き出した。2012年の不正操作スキャンダルでは、複数のトレーダーが有罪判決を受け、多くの銀行に制裁金が科された。代替指標への移行が計画通りに進まなければ、あらゆる方面に影響が及びかねない。消費者はクレジットカードローンなどの借り入れ支払額が増えるかもしれない一方、中小企業は融資の固定金利上昇に直面する可能性がある。LIBORに連動している金利デリバティブ(金融派生商品)はおよそ190兆ドル、企業融資は3兆4000億ドルに上る。