「育ち」を底上げすると人生が変わります

―― 「育ち」の底上げは、どのくらいの期間でどのくらい訓練すれば身につけられるものですか?

諏内 一概には申し上げられませんが、はっきりしているのは、できない理由ややらない言い訳、「でも……」という言葉を口にせず、学んだことをスッと素直に受け入れて行動に移す方は伸びが早いということです。ここで知識を得て、レッスンをなさり、スクールの外でもどんどん実践していく方は、しばらくすると自分のステージが「こんなに高いところまで上がってきた!」と実感できるほど変わっていきます。

一方で、同じようにご指導していても、なかなか変われない方もいます。なぜなら、実践していないから。もちろん、知っているのと知らないのとでは安心感がまったく違いますが、得た知識をより多く試していくことで「育ちの良さ」は自然と身についていくんですね。ですから私はよく、「知っているかいないかはもちろん大事ですが、やるかやらないかはもっと大事ですよ」と生徒さんにお伝えしています。

早く実践される生徒さんは、私のスクールが終わったあと、「今日は〇〇のカフェに寄って、エレガントな座り方を試してみます」、「指先の所作がさらに美しく見えるようにネイルして帰ります」というほど、行動が早いんです。お買い物するときの店員さんとのやりとりでも、仕事やプライベートでの日常会話でも、私の本で紹介した内容で実践できることはたくさんあります。余裕があれば、ちょっと畏ったレストランでお食事をしたり、ブランドショップを覗いて、店員さんとやりとりしてみてもいいですよね。

―― 行動を積み重ねていける生徒さんで、人生が好転していった方も多いそうですね。

「育ち」とは何なのか?真の意味で、育ちがいい人の共通点

諏内 日々のふるまいや行動を変えて自信を持てるようになった方は、明らかに変わっていきますね。ある女性の方は、最初に婚活のカウンセリングにいらしたとき、それまで誰にも言えなかった悩みを打ち明けてくださって、ボロボロと泣き出してしまいました。とても自信を失っていたので、「大丈夫ですよ。変わりましょう。今までの悩みを解決するための方法を一緒に考えていきましょう」というところからスタートしました。

その方はその後、晴れ晴れとした様子になって、たまたま出会った男性とお付き合いをはじめました。同時に私のスクールで、メイクのレッスン、話し方、ふるまい方、気遣いなどを学んでいただきましたら、みるみるうちに美しくエレガントになっていったんですね。結婚間近になったときは、ご実家の訪問時やお食事のマナーのレッスンもして、無事にその男性とゴールインすることがでました。