今年も、有名小学校や幼稚園のお受験シーズンがやってきます。
まだ小さな可愛らしいお子さんとそのご両親が、「育ち」を試される試験本番が近づくにつれ、緊張感が高まっているご家庭もあるのではないでしょうか。
お受験の合格率95%の実績を誇るマナースクール「ライビウム」代表の諏内えみさんの新刊『「育ちがいい人」だけが知っていること』には、お受験に役立つアドバイスも豊富に紹介されています。面接が勝負のご両親のマナーや話し方、立ち居ふるまいを総復習するつもりで、役立てている方も多いようです。マナー講師であり、お受験対策のプロでもある諏内さんに、お受験で必ず受かる子の条件について聞きました。全4回インタビューの最終回をお届けします。(取材・構成/樺山美夏、撮影/疋田千里)
お受験の面接では、付け焼き刃の「育ちの良さ」はすぐバレる
―― この秋にお受験の本番を迎えるご家庭は、緊張感が高まっている頃だと思います。諏内さんの『「育ちがいい人」だけが知っていること』にも、「お受験で必ず受かるのは、こんな子」というコラムがありますが、お受験対策はいつからはじめたほうがいいのでしょうか?
諏内 にじみ出る品、育ちを身につけるには、お早いに越したことはありません。お受験の両親面接はほんの数分です。そこで品格を感じさせる立ち居ふるまいや、会話力を出し切らなくてはいけません。私はよく「受かるオーラ」と言っていますが、わずか数分で品の良さがにじみ出るような雰囲気が醸し出せるか、ということです。これは、数回程度練習しただけでは身につかないのは当然です。
カウンセリングにいらっしゃる方には、最低でも本番の1年前、理想では2年前からはじめましょうとお話していますが、面接会場でハプニングが起きることもよくあります。お子様が何か壊してしまったり、物をなくしたり、ケガしたり、待ち時間が長くなってぐずったり。
そういう場合の親の態度や対処の仕方、面接官に対する説明の仕方、謝り方など、わからないと戸惑ってしまうことが多々あるんですね。ハプニング時にもとっさに対処できるためには、やはり時間をかける必要があるので、2年も3年も前から練習を重ねている方もいます。
―― いざというときの臨機応変の対処方法は、著書にもたくさん出てきますね。
諏内 大人だけでなくお子様も、表情、アイコンタクト、立ち方、座り方、歩き方、お辞儀、返事、話し方、説明力、発表力、指示行動、質疑応答のトレーニングなど、やるべきことがたくさんあります。ですから、早くはじめるに越したことはありません。
そういったことを、短期間で付け焼き刃のように覚えて、見よう見まねでできるようになったとしても、本番では本来の姿が透けて見えてしまうんですね。
反対に、意識しなくても自然にふるまえるところまで身につけた方は、それ自体が真の姿として現れます。これが合格するご家庭のひとつの共通点と言えます。
「マナースクールライビウム」「親子・お受験作法教室ライビウム」代表
皇室や政財界をはじめとするVIPのアテンダント指導などを経て、「ライビウム」を設立。豊富な経験に基づき、本物のふるまいや上質なマナーの指導を行う。「美しい立ち居ふるまい」「会話術」「和・洋のテーブルマナー」など人気講座多数。なかでも、難関幼稚園、名門小学校の第一志望合格率95%の「親子・お受験作法教室」は、お行儀を覚えるだけではなく、「にじみ出る育ちの良さと、品」が身につくと話題に。近年は、マナー以前の気遣いレベルを上げる独自の指導で、多くの男女を成婚に導く「婚活カウンセリング」も人気。一部上場企業トップ陣や政治家へのマスコミ対応トレーニングや、映画・ドラマで女優へのエレガント所作指導も行う。自身もテレビ・ラジオ・雑誌等で、幅広く活躍中。