ロビーラウンジで打ち合わせをしていた時も、熱い生姜湯をわざわざ作ってくれた。深夜、客室に帰ったら、フロアレディが漢方の咳止め薬をもってくれた。サービスの質を保つために、情報をきちんと共有できているのだろうと思った。

 翌日、ホテルの幹部をつかまえてこの8年の変化をいろいろと聴かせてもらった。8年前は主に香港のペニンシュラとバンコクのマンダリン・オリエンタル・ホテル・バンコクを目標に、いろいろと学んできたが、それ以降は、むしろ日本の帝国ホテル、洞爺湖畔にあるザ・ウィンザーホテル、ザ・リッツ・カールトン大阪を対象に懸命に学んでいる、という。

 ホテルの施設などハードの面も確かにかなり改善された。しかし、私が一番うれしく思ったのは、お客さんの満足度を第一に考えるそのサービス精神が依然として保たれていることだ。「中国でもっともサービスがいいホテル」と言われている理由も、なんとなく理解できる。中国の地方のホテルの管理を引き受ける業務も始めた。うれしい進歩と発展だと拍手を送りたい。

 しかし、今回の宿泊体験に不満もあった。8年ぶりの宿泊だが、飲食代も含めすべて大きく値上がりした。この8年間の物価の上昇を考えると、理解できなくはないが、同じぐらいの宿泊料などを出せば、よりスマートなサービスとホテルライフを楽しめるのでは、と思った。

 昼食を軽めに取ろうと思った私は、「香葱餅」と湯麺と野菜炒めを頼んだ。しかし、あまりにも小さすぎて薄すぎた香葱餅を前に言葉を失った。湯麺の量もちょっとすくないと思った。同ホテルのサービスについてインターネットに出ている情報を調べてみたら、案の定、設定価格の高さに不満の声があった。きめ細かなサービス提供を自慢する同ホテルは、どうも一人用の食事メニューを考えていないようだ。サービスの盲点とも言えるのではないだろうか。ぜひこの問題を改善して、より立派なホテルになってほしい。