専門家に相談しづらければ
知り合いに話すのも効果的

 対策が必要な場合の具体的な対処法には、次のようなものがあります。

(1)専門家に相談する

 いきなり精神科や心療内科に相談するのは、ハードルが高いかもしれません。しかし最近は、産業医や産業保健師、産業カウンセラー、外部EAP(従業員支援プログラム)を導入している会社も増えてきています。まずは秘密を保持してくれる専門家に相談してみましょう。

(2)知り合いに話す

 専門家に相談するのはどうしてもハードルが高い、あるいは自分の身近にそういう資源がない場合は、まず家族や友人、知人に話をしてみましょう。他人に話して悩みを外に出すことを心理学では「外在化」といい、メンタルヘルス上、大いに効果があるとされています。第三者に話すことで自分の考えが整理できて、案外たいしたことではないと気づけることもあります。

 もしかすると、職場での立場上、あなた自身が不調を抱える人や、その人を気遣う同僚や部下から相談を受けることもあるかもしれません。その場合は、1)プライバシーに配慮する、2)問題を先送りにしない、3)相手の立場に立ってまずはお説教やアドバイスは控えることを意識して、問題解決のチャンスをもらったつもりで話を聞くように心掛けてください(職業性ストレスモデルの〈4〉『緩衝要因』に該当)。

(プリンシプル職場の心理学研究所所長、福島県立医科大学特任准教授  八木亜紀子)