チェックリストの読み解き方
注意が必要な人とは?

 わたしたちは日ごろからさまざまな状況に遭遇して、それによってうれしくなったり落ち込んだりします。しかし実は、水が半分入ったコップを渡されて、半分も入っていてラッキーと思う人もいれば、半分しかないとがっかりする人もいるように、気分は状況そのものよりもその解釈の仕方によって大きく変わってきます。そしてこの解釈の仕方には、人それぞれ生まれ持った資質や生活環境によって形成されたクセがあるのです(職業性ストレスモデルの〈2〉『個人要因』に該当)。

 チェックリスト(1)は、考え方のクセの中でも、ネガティブで適応性のない傾向を見るものです。

 しかし、当てはまる項目があること自体が問題なのではありません。困難な状況にあっても、粘り強さやチャレンジ精神を持ち続けるには、現実的で適応性のある考え方を身に付けることが重要です。このしなやかさは、レジリエンスとも呼ばれます。自分のクセに気づいて、それをポジティブなものに置き換えられるよう、まずは自覚するようにしましょう。

 とはいえ、さらされるストレス要因が圧倒的だと、どれだけ頭を切り替えて前向きに取り組んでいても処理しきれなくなることもあります。短期的なストレス要因には人間はアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンを分泌して対処しますが、それが長期化するとバーンアウトを起こし、さまざまな不具合をきたし始めます(職業性ストレスモデルの〈3〉『ストレス反応』に該当)。

 チェックリスト(2)のA)は身体面、B)は心理面、C)は社会面に見られる変化です。合計で 0~25点だった方は、特に問題はありません。26~40点だった方は、少し注意したほうがよいでしょう。41~55点だった方は、バーンアウトを避けるため、なんらかの対策が必要です。56~80点だった方は、すでに、バーンアウトになろうとしています。ただちに、ストレス・コントロールのための計画を立て、実行してください。