テスラは今後も
この勢いを続けることができるか

 異端の自動車メーカー、テスラは今後もこの勢いを続けることができるのだろうか。

 かつてトヨタはこのテスラとEV開発で業務提携(2014年)し、テスラへ出資もしたが、テスラの危うさから2016年までにテスラ株を売却し提携を解消しているという経緯がある。

 イーロン・マスクCEOは奔放な発言で知られており、テスラのほかに「世界初の有人宇宙飛行」を実現したり、人類の火星移住を掲げる「スペースX」を提唱するなど、複数のスタートアップを率いてその野望に突き進む。

 EV向け電池で提携するパナソニックとしても、改善傾向にあるとはいえテスラ向け事業はいまだ赤字だ。一時は、「テスラとの提携・合弁事業は及び腰」との声も聞こえていた。

 テスラと資本提携していたトヨタも、EV開発ではテスラの活用を考えたようだが、わずか数年で提携を解消している。皮肉にもテスラから離れた現在、時価総額でトヨタはテスラに抜かれることになった。

 もっとも、テスラはEVにおいては世界販売首位とはいえ、自動車の世界販売台数という視点でみると、2019年の世界販売はわずか37万台だ。これはトヨタやVWの30分の1に過ぎない。

 世界の環境規制強化の動きに対応して自動車メーカーは電動化が重要な要素となるが、ピュアEVだけでなく、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)も含む、多様な展開が欠かせない。次の電動化の主役がいまだ見えていないのが実情だからだ。

 ピュアEVについては、「CO2総排出に問題がある」との声もあり、充電インフラの問題もある。現在のところ、自動車が一気にピュアEVに転換するという流れには至っていない。

 それでも世界の自動車各社は「EVに乗り遅れてはならじ」と開発を急ぐ。そこにはEVと自動運転の連動性があり、テスラのEVも「オートパイロット」と呼ぶ自動運転機能(運転支援)を特徴としている。

 筆者は、数年前にテスラの「モデルS」を国内一般道で試乗したが、このオートパイロット」で手離し運転ができることを確認している。

 また、テスラの販売戦略はTVやネットに広告は一切流さず、世界の約300店舗は直営である。その多くはショッピングモールの中にあり、ブランド訴求に主眼を置いて展開している。

 購入者はウェブサイトで申し込み、値引き交渉は皆無だ。購入後、期間や走行距離が一定の条件内なら返品自由と、独特な販売展開を行っている。