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トヨタ自動車は7月1日、自動車販売台数で30分の1にすぎない米テスラに時価総額で抜かれた。レガシー企業のトヨタが真似できないテスラの強みとは何か──。特集『トヨタ「一強」の葛藤』(全5回)の#1では、トヨタがなぜ企業価値でテスラに逆転を許したのかを分析する。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

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トヨタに真似できぬ秘密がある

「テスラの株高は米ナスダック特有のバブルでしょ」。あるトヨタ自動車関係者は、テスラに時価総額で抜かれた事実を淡々と受け止めている。

 トヨタ関係者がテスラに対して、複雑な気持ちを抱くのも無理からぬ話だ。というのも、テスラはトヨタにとって出資先のベンチャー企業の一つに過ぎなかったからだ(2010年5月に当時の為替レートで45億円を出資。その後、袂を分かち、トヨタはテスラ株を売却)。テスラはトヨタの“研究対象”ではあったが、同列に比較されるようなライバルではなかった。

 現在でもなお、事業規模においても両社の差は歴然としている。テスラの19年の販売台数は36万台に過ぎず、トヨタの1074万台の足元にも及ばない。

 しかし、である。レガシー企業であるトヨタが真似できないテスラの強みを見ていくと、株式市場の評価が決して“根拠のないバブル”ともいえない実態が見えてくる。