外食業界支援の「Go Toイートキャンペーン」。9月中に開始されるとされるが、「やらないよりはマシ程度」と業界からは冷ややかな声が上がる。飲食店から“搾取する”構造が浮かび上がるだけでなく、「ポスト安倍」最有力の菅義偉官房長官の陰もちらつく。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
ちぐはぐな運用のGo Toトラベル
Go Toイートに、業界から冷ややかな声
Go Toイートは誰のための施策なのか――。
新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ消費を喚起する目的の「Go Toキャンペーン」には1兆6794億円という巨額予算が計上されている。
7月から第1弾となる観光業界を支援する「Go Toトラベルキャンペーン」がスタートしたものの、東京発着除外の賛否や、「失敗と言っていい」(達増拓也岩手県知事)と地方自治体から非難されるなど、ちぐはぐな実施となっている。
そして第2弾が、外食業界支援の「Go Toイートキャンペーン」だ。9月中の開始とされるが、「やらないよりはマシ程度」と、業界関係者からは早くも冷ややかな声が上がっている。
「Go Toイート」は大きく2つの消費喚起策で構成されている。
1つ目が「プレミアム付き食事券」だ。全国35の商工会議所が中心となって発行する予定で、購入額に25%分の価格が上乗せされた食事券を、地域の登録飲食店で使えるというものだ。
2つ目が、「オンライン飲食予約」である。期間中に、食べログやぐるなびなどの、いわゆるグルメサイトで予約した上で飲食店に来店した消費者は、次回以降の飲食店の利用で使えるポイントが、ランチで500円分、ディナーで1000円分付与されるというものだ。
Go Toトラベルの混乱に隠れているが、このGo Toイートにも、2つの「大問題」が潜んでいる。