Go Toトラベルキャペーンの利用を促す広告
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国内旅行の喚起策である「Go To トラベル キャンペーン」を、政府は7月22日から条件付きで強行実施した。新型コロナウイルス感染拡大への懸念がある半面、瀕死の旅行業界からは期待の声も上がる。そんな業界をリードする大手4社の業績も危機的な状況にあるが、仮に需要が一定程度回復しても、大赤字は避けられない。感染拡大がさらに深刻化すれば存続の危機となる。独自試算でその行く末を検証した。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

感染拡大懸念をよそに“GoTo”を熱望
4、5月は売上高が“消滅”した旅行会社

 6月からじわじわと数を増やしてきた新型コロナウイルスの感染者数。医療崩壊への懸念が再浮上する中で、政府は当初から予定していた国内旅行を最大半額補助する「Go To トラベル キャンペーン」を、東京都民や都内を目的とした旅行を除いて7月22日から強行する。

 若者や高齢者のツアーも除外されるなど、批判を受けて後付けでさまざまな条件が設定されるといった混乱ぶりは、もはや隠しようがない。当初は旅行会社の判断としていたキャンセル料も、政府が補償することになった。

 新型コロナにより全国の宿泊・観光関連の事業者が規模の大小を問わず甚大な影響を受けていることは明らかで、業界や地方自治体からはキャンぺーンを熱望する声もある。

 そんな瀕死の業界をけん引する大手旅行代理店こそ、このキャンペーンをもっとも強く欲していることは間違いない。売り上げが事実上“消滅”し、過去にない危機的な経営状況に陥っているためだ。

 5月の旅行取扱額実績、前年同月比1.2%――。近畿日本ツーリストを傘下に持つKNT-CTホールディングス(HD)の国内、海外のすべての旅行の取扱高を示す数字だ。昨年5月は500億円を超えていた取扱高が、今年5月は6億円にまで激減している。4月も同2.6%にとどまった。

 エイチ・アイ・エス(HIS)の国内外の旅行総取扱高の速報値も4月は同1.5%、5月同1.8%と同様にビジネスが“蒸発”した。観光庁が7月17日に発表した主要旅行会社の5月の旅行取扱高によると、JTBが3.6%、日本旅行は1.8%と実に厳しい。
 
 コロナショックは旅行会社の業績にどこまで影響を与えるのか。ダイヤモンド編集部は、上記4社の決算資料を基に、今後「Go To トラベル キャンペーン」の影響を加味して売上高が一定程度回復した状態が続く「楽観シナリオ」と、秋に再び感染拡大が深刻化して売上高が再度、激減する「悲観ケース」の2パターン別に今期の業績をシミュレーションした。