また地銀といえば、県庁や地方紙、電力会社などと並んで、都心の有名大学を卒業した若者の地元での就職先では最有力だった。ところがそれも今や昔。人材確保の面でも危機が迫っている。地元で働きたいエリートたちを雇用する力が落ちているのだ。

そこで、従業員数と平均年収を掛け合わせた金額を「地域雇用力」とし、アベノミクスにより雇用環境が改善し始めた時期とされる14年3月期と直近の20年3月期でそれぞれ算出。この2期を比較し、地域雇用力の減少額が大きい順にランキングした。1位となったのは、6年間で817人もの従業員が減った岐阜県の第一地銀である十六銀行だった。
従業員数減少の理由は何か。十六銀によると、経営危機に陥った岐阜県の第二地銀である岐阜銀行を12年9月に吸収合併したことで、従業員数が大きく膨らんだ。そこから人員調整のために採用抑制をし、自然減で従業員数を減らしていったという。
また、その背景には「吸収合併の反動で辞めた旧岐阜銀行出身の人もいる」(十六銀関係者)という。今後、苦境の地銀を救済するための地銀再編が進んでいくとすれば、その中で不遇をかこつ地銀従業員は少なからず出るだろう。
政府主導で地銀再編が加速していったその行く末には、地方エリート“だった”者たちのさらなる没落が待っている可能性が高い。