原田 1つは、現場にもっと信頼してもらえる関係を築くことが大事だと思います。現場に入り込んで本当に困っていることをざっくばらんに話してもらうためには、何よりも信頼関係がベースになるからです。

 もう1つは、メンバーの人事全般に関する知識や経験値を高めることも必要だと思います。組織開発には幅広い知識や経験が求められますが、それらを若い頃にしっかり積めるような環境にないことがネックだなと感じています。

 本社人事の組織は、労務管理、人事管理、教育など特定の専門に特化したグループに分かれていまして、1つのグループを3年程度経験して、次のグループに移っていく。要は、専門知識の拡大がゆっくりなんです。当カンパニーの人事室も、本社人事に合わせたグループ編成になっているので、編成のあり方を少し見直す必要があると考えています。

 私の場合は、アメリカとロシアで合計8年ほど海外を経験したので、人事全般を見ざるを得なかったということもあり、比較的広く見られるほうだと思います。しかし、みんながみんな、海外での経験を積めるわけではありませんから、このカンパニーの中で幅広い経験が積めるように環境を整えていきたいと思っています。

中原 ありがとうございます。たしかに組織開発では、異種格闘技みたいにいろんなものを使いますからね。人事の幅広い知識や経験を蓄えることは大事ですよね。