課題創造できる人材を
育てるための施策とは?
中原 ありがとうございます。いま採用のお話をうかがいましたが、そのほかにカンパニー人事で主に担当されているのは、育成や評価ですか?
原田 そうですね。育成、評価、あとは技術教育や、職場の活性化なども担当しています。
育成に関しては、単一事業から新しい領域に踏み出していこうということで、自ら課題を創造して新しいビジネスを起こせるような人材の育成が急務となっています。そこで、外の視点を積極的に取り入れるために、ベンチャー企業などへの外部派遣を進めています。
次の評価は、カンパニー人事は本社人事よりも現場との距離感が近いので、一人ひとりの仕事ぶりがわかるレベルまで評価に落とし込みたいと思っています。その施策として、カンパニー内の各部長と毎月話し合って現場の困りごとを聴いたり、職場メンバーとの懇談会を開催したりしています。
中原 なるほど。全社ビジネスの進展に応じた人材を育成したり、現場に近い立場から人事施策の精度を高めていこうということですね。技術教育と職場の活性化については如何ですか。
原田 技術教育はカンパニー内の独自の取り組みとは少し異なりますが、全カンパニー共通の部分がかなりあるため、効率性の観点から、当カンパニーが中心となって全カンパニーに複数の教育講座を提供しています。
また、職場の活性化は、社員の意識改革が目的です。前述のベンチャー企業への派遣以前に、全体の視点をもっと外に向けようということで、様々な取り組みを行っています。たとえば、1カ月のうち1日は学び直しの時間を設けて、自らの業務とは直接関係ないものの将来的には関係しそうなテーマを自発的に学習・研究できるような制度を整えています。
組織開発で、現場の本当の困りごとに
ソリューションを提供したい
中原 ありがとうございます。原田さんが、これからカンパニー人事で強化しなければならないと思っていることは何ですか。
原田 そうですね。さらに現場に入り込んでいき、職場が本当に困っている課題にソリューションを提供していけるような、組織開発的な取り組みを強化していきたいと考えています。現状ではそのあたりがまだ十分とは言えないので。
中原 各社の事業部人事の方々にお話をうかがうと、組織開発の面でも価値貢献していきたいとおっしゃる方が少なくありません。原田さんは、どんな課題が解決できれば、組織開発が進めやすくなるとお考えですか。