私は人の意見を聞くとき、その人が何のためにそれを言っているのかをいつも考えます。単なる自己保身のためなのか、それとも自分の役割やミッションを全て受け止め、他の人たちの立場も思いやった上で、「これはどうしても言わなければならない」ということを言っているのか――。あらゆる人の意見を聞くということは、あらゆる人にその覚悟を求めるということです。例えば新入社員に対して「君はまだ若いから」と真剣な意見を求めないとすれば、その人の成長の芽を摘むことになると私は考えます。批判的なことを言うから、自分の進めたいことの障害になるから「排除する」のではなく、そういった意見を取り込んで、いかに大きく「発展」させられるか、が大切だと私は考えています。だから私は、「言論の自由」を大切にし、「是々非々」で判断し続けること、それをスポーツのひとつの世界で実践することこそが大切だと考えています。日本人が大胆かつ迅速に羽ばたいて成長していった渋沢栄一の時代のように。

スポーツビジネスは
地域が求めていることの理解から始まる

 もう一つ、合本主義を実現するために必要なことは、相手のメリットをしっかり考えて行動することです。深谷市民皆さんのメリットは、地域が盛り上がり、経済が活性化することです。市長や市の職員の皆さんのメリットは市民が幸せになり、市民から評価されることです。ブロンコスが深谷市に確かな足場を築こうと思ったら、それらのメリットを最大化することを常に考えなければなりません。単に「支援をお願いします」と言って支援していただけるほど、スポーツビジネスは甘いものではありません。

 もちろん、私たち自身もメリットを得られるウィンウィンの関係を目指す必要があります。新合本主義“GAPPONISM”を共通のキーワードとすることは、ウィンウィンの関係をつくる有効な方法です。先に述べたように、深谷市には渋沢栄一政策推進部という部署があります。ホームページを見る限り、「この部署で何をやるかはこれから決めていく」というのが現状だと思います。ならば、何をやったら深谷市の発展につながるのかを私たちが実践して、私たちから提案していけばいい。そして、そこにバスケやスポーツにつながる要素を加えていけばいい。