日立建機
日立建機は日立製作所売上高の1割を稼ぐが、20年度は新型コロナウイルスの影響で減収減益を見込む Photo:Construction Photography/Avalon/gettyimages

日立製作所が日立建機を売却する方針を固めた。保有する約51%の持ち分の半分を売る方向だ。子会社の全株を譲渡することが多かった日立が、建機株式の4分の1を保有し続ける理由とは。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

グループ再編の総仕上げ
残る上場子会社、日立金属も売りに

 日立建機の売却は、リーマンショック後の2008年度、7873億円の巨額赤字に沈んだ日立製作所が行ってきた構造改革の総仕上げといえる。

 デジタル化によるソリューション事業に経営資源を集中する日立は、景気や市況の影響を受けやすい製造業系の非中核事業を次々と売却してきた。

 とりわけ09年度に22社あった上場子会社は本業とのシナジーが少ない事業が多く、しかも、その少数株主との利益相反が懸念されるため、ガバナンスの観点からも削減が求められていた。

 20年度は、日立による事業の取捨選択の最終盤の年になる。4月にスマートフォン部材を手掛ける日立化成の全保有株式を昭和電工に売却。一方、医療分野に強みがある日立ハイテクノロジーズは逆に完全子会社化するなど着々と親子上場を解消してきた。

 残る上場子会社は、日立建機と日立金属の2社である。

 本業とのシナジーが少ない日立金属は売却の方向性が見えていた。一方の日立建機は、競合する中国メーカーの追い上げで収益性が落ちているものの、建設機械のメンテナンスや作業現場の効率化などのサービスで日立の技術が生かせるため、売却か完全子会社化かを決める判断が注目されていた。