日立製作所がコロナショックに揺れている。脱・ものづくりに向けて事業売却を進めてきたが、本体に残した自動車機器事業が新型コロナウイルスの感染拡大で大打撃を受けるからだ。ホンダ傘下のサプライヤーとの経営統合で売上高が倍増する同事業は、日立の新たなリスクになりそうだ。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
日立化成の売却は絶好のタイミング
大減収決算を巡る「2つの解釈」
日立製作所は、景気変動の影響を受けやすい半導体などものづくり系の事業を売却し、安定した社会インフラやデジタル化の事業領域へシフトしてきたはずだった。しかし、今回のコロナショックでは思いのほか大きな打撃を受けそうだ。
日立は5月29日、2021年3月期通期業績予測を発表した。売上高は前年比1兆6872億円減の7兆0800億円(そのうちコロナの影響額は約1兆円)、営業利益は同3000億円減となる見込みだ。