4S店では故意に客の部品を壊す従業員も…

 完成車販売、部品、メンテナンスが4S店の収入構成だが、基本的にその比率は2:1:4であり、メンテナンスサービスこそが主な収入源だ。厳しい生存環境の中で生き残るために、多くの4S店が販売現場の従業員や整備員にハードなノルマを課している。そのノルマを達成するために、手段を選ばない現場が多い。

 具体的には次のようなものだ。事故車の部品を故意に壊して自動車保険をだまし取る。修理に送られた車の問題を大げさに言って不必要なところまで強引に修理してその修理代や部品代を顧客に払わせる。中には古い部品を新品として使って暴利をむさぼるケースもある。1000万円近いベンツを購入した女性がその車を運転して4S店の敷地をまだ出ていないのに、エンジンからオイル漏れ…。新車を買って1週間もたっていないのに、部品がさびついている。もっとひどいのは新車購入申込者から預かった手付金を勝手に店舗の運転資金として使ってしまう4S店もあった。

 こうした問題が多発しているので、ついしばらく前までステイタスの象徴とみなされる4S店は今や敬遠される存在となった。18年と19年に発表された「中国自動車アフターサービス満足度研究」(CSI)も次のようにこの傾向を指摘している。

 17年には54%の車の所有者が、保証期間内に指定4S店以外の修理店にメンテナンスや修理を頼むようになった。しかし、18年にはその数字が61%にまで上昇した。最も顕著な変化は、18年には車の所有者が非指定のメンテナンス工場に整備を依頼するまでの期間は、平均で車の購入後17カ月目だったが、19年にはそれがさらに2カ月短縮して15カ月目となった。

 一部の4S店の無責任な行動は中国の自動車流通業界全体の存続を脅かすように社会問題化している。それが是正されることを期待したい。