課題を発見し、データから法則性を読み解く
──「課題の発見」とは、具体的にはどのような課題でしょうか。
土屋:以前、社内で「毎週やっていた定例営業会議は、実は意味がないんじゃないか」と提案した社員がいました。「2週間に1回でいいのではないか」と。
ただ、ここでいう「課題を見つける」というのは、「経営者目線を持て」ということではありません。
たとえば、衣料品で、S、M、L、2L、3Lといろいろあるサイズのうち、特定のサイズが極端になくなるケースがあるんです。
ワークマンは作業服専門ブランドですから、ガタイのいい職人さんが大きいサイズを買うケースも多い。一般客はそれほど筋肉のないサラリーマンが多いので、それほど大きなサイズが品薄にはならないのですが、職人さんが多くくる店舗は、通常のサイズから小さめのサイズが残ってしまうことがあります。
女性は、アウターに関しては2サイズ大きいのを着たりもしますよね。身長160cmの女性が、ダボッとゆるめに着たいからと、2Lサイズを買う。これも、課題の発見ですよね。
製品によって、エリアによって、どの比率でつくるか考えれば在庫がなくなることもない。
サイズだけでなく、どのデザインが売れるのかもエリアによってさまざまです。
作業現場の人が想定外に派手なデザインを好むときもありますし、逆に、地味なデザインを一般の女性客が購入するケースもある。
このエリアのこの店だと、年代や男女比はこれくらいだから、このサイズがこれだけ売れるだろうと、単純にはいかないわけです。
だから、私は店舗を週2回くらい回り、何が残っているのか、何が品切になっているのか、法則性を見出すようにしています。
そういった課題は、社長や私から各部署に出して、データで分析するようにしています。