バイデン政権の米国がMMTを採用すれば世界が迷惑する理由
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バイデン前副大統領の当選が確実となった模様の米大統領選。インフレ発生時にそれを加速しかねないMMT(Modern Monetary Theory、現代貨幣理論)は、日本においても危険である。まして諸外国でのMMTはさらに危険な要素をはらんでおり、基軸通貨国の米国がMMTを採用すれば世界中が迷惑をこうむる可能性が高い。(経済評論家 塚崎公義)

新型コロナウイルス感染症による不況への対応で、各国の財政赤字が巨額に膨らんでいる。財政赤字を懸念する人もいるだろうから、財政に関する全数回のシリーズを組むことにした。今回はその6回目だ。

MMT理論の影響力が増す可能性

 昨年来、米国でModern Monetary Theory(MMT、現代金融理論)と呼ばれる財政学の理論が話題になっている。「自国通貨で借りている財政赤字は紙幣を印刷すれば返せるのだから、巨額でも構わない」というものである。

 伝統的な経済学とは大きく異なる「異端」であるが、一定の人気を博しているようだ。新型コロナ不況に際して各国政府が巨額の財政出動を迫られたことから、その理論的な裏付け(言い訳?)としても使われるかもしれない。