管理職,多忙
さまざまな要因から、管理職は年々忙しくなっています Photo:PIXTA

近年、管理職にかかる負担が激増している。リクルートマネジメントソリューションズが管理職層に対して会社の組織課題を尋ねたところ(※)、最も多かったのが「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」(68.7%)という項目だった。働き方改革やコロナ禍でのリモートワークの開始など環境が変化する中で、管理職はどんな悩みを抱えているのか。置かれている現状とその解決策を、リクルートマネジメントソリューションズ ソリューション統括部HRD事業開発部の石橋慶マネジャーに聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)

※「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査」(2020年8月)

プレマネジメント経験なく
管理職になるケースが増加

――現在、管理職の負荷が増えている背景にはどんなことがありますか。

 かつては、職場全体をまとめたり、後輩の面倒を見たりするマネジメントの先行経験を積んでから管理職に昇進することが当然のようにありました。しかし、バブル崩壊後やリーマンショック後の不況期には企業が採用を差し控えた時期があり、人員構成に歪みが生まれています。

 この歪みは徐々に解消されつつありますが、これによって現在の30代の中堅社員などには後輩があまりおらず、後輩の面倒を見るプレマネジメント経験もなく、管理職になるケースが少なくないのです。

 また、管理職の昇進平均年齢は近年40歳程度と若年化しており、年上の部下のマネジメントに悩みを抱えるケースも増えています。それに加えて、今や8割以上の管理職がプレイングマネジャーであり、常に業務量がパンクした状態の中で仕事をしています。

 近年ではコンプライアンスの強化に伴い、リスクヘッジのための手続きや提出書類が増えていることもマネジャーの業務を増やしています。また、働き方改革が行われる中で、メンバーの労働時間管理もかつてないほど厳しくなっています。そのため、処理できなかった業務をメンバーに取り組ませることができず、管理職自身がプレイヤーとして仕事をせざるを得ない状況が生まれています。

 管理職の重要な役割は中長期の戦略を考えることですが、目の前の短期的な目標をクリアすることに追われて時間が足りません。短期と中長期を見据えた仕事の両立に悩まされている管理職は少なくないでしょう。

 かつて管理職になることはステータスであり、昇進によって意欲が高まっていましたが、現在は管理職になりたい人の割合が減ってきています。それは、現在の管理職の忙しさを知っていて、仕事以外の生活を重視する人も増えているからなのです。