ロート製薬が副業をいち早く導入した「超人間的」な理由
コロナ禍で訪れた働き方の新潮流と、企業が抱える課題とは? Photo:PIXTA

働き方改革の推進に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、「働き方」は企業規模や老舗・新興の別なく大きく変化している。新しい働き方は、組織にどんな変化をもたらしているのか。これから企業はどうあるべきなのか。2016年、いち早く副業解禁にかじを切ったロート製薬の山田邦雄会長と、フリーランスのプラットフォームとして2008年に創業したランサーズの秋好陽介社長が、コロナ禍で訪れた働き方の新潮流や組織が抱える課題について語り合った。(構成/奥田由意)

働き方の多様化は
コロナで10年早まった

――新型コロナウイルス感染拡大の影響で、働き方について何か変化を感じられましたか。

山田 変わったことと変わってないところと両方あるかなと思っています。例えば、ロート製薬は大阪に本社があります。私も東京支社に定期的に来ていましたし、社員も頻繁に出張していましたが、オンラインで移動が必要なくなり、便利になりました。地方の企業には、距離的ハンディがなくなったと感じます。在宅勤務が意外に支障なくできるな、という実感は皆さんの中にも共通認識としてあるのではないでしょうか。

 ただ、じゃあ在宅を基本に、というふうにはしていなくて。やはり、顔を見て直接話をすることは重要です。人と会うことは楽しいし、対面のコミュニケーションには安心感もあります。

 一挙にシフトというよりは、オンラインの便利なところは生かしていきながらも、対面もやはり大事だと思います。加えてうちは工場もありますから、現状としては従来(対面前提)の働き方が7割くらいで、新しい働き方が3割くらいのイメージですね。

秋好 コロナによって、2030年頃に起こると思われていたことが、10年早く起こっているという感覚があります。

 弊社の周りにIT企業が多いこともあると思いますが、上場している会社でもオフィス縮小しているところが多いですし、スタートアップではオフィスすら持っていなかったりする。社員の採用も「オフィスに通える人」というのではなく、日本全国の人材をターゲットにしたり、仕事をフリーランスに発注したりという動きも増えています。

 弊社でも半期ほどでフリーランスのエンジニアを25人採用しました。スタートアップは炭鉱のカナリヤといわれることもあるので、特殊ケースなのかもしれないですが、こうした動きは他の企業にも広がっていくんだろうなとみています。