コロナ禍によるテレワークで
組織の機能の多くが毀損

 まず、コロナ禍で、本来組織が果たすべき機能がどのような影響を受けたかを考えてみたい。

 組織のあるべき姿をどう定義するかは難しいが、以下のようなことが組織において重要であるということは、多くの識者の見解が一致するところであると思う。

1. 会社のミッションの明確化:会社はどこへ向かっているのか

 会社のミッション(使命)やビジョンの達成に向けて、自部署のやるべきことがどのような位置づけにあり、関係する他部署の業務とどのように関連しているかがメンバーに明確に理解されている。

2. メンバーの役割分担の明確化:同じ部署のメンバーはどんな仕事をしているのか

 自部署のゴールの達成に向けて、メンバー個々の役割分担が明確になっており、さらには互いの業務をつなぐ調整がスムーズに行われる。

3. 異常検知と対応:ちょっと「変」なことはないか

 計画の範囲を逸脱する事象などについて情報共有が行われ、原因の究明と対応策が常に作られ実施される。

4. メンバーの能力把握とフォロー:みんなちゃんと仕事をこなせているか

 個々のメンバーが自分の担当業務を行う上で、基本的に十分な技能と意欲を有しており、不足している技能については、他のメンバーからの支援や当人の努力によって、充足される状況が作られる。

5. メンバーの業務外情報の共有:知っておくべき家庭や個人の事情はないか

 仕事を行う際に、影響がある可能性のある個々のメンバーの個人的な事情について、必要な程度においてメンバー間で情報が共有され、必要な場面で配慮が行われる。

 これらについて、今多くの組織が置かれている状況を考えてみよう。