昨今の状況下では、1~5のすべてを語り合う必要があると思われるが、中でも、もっとも重要なものが2のメンバー間の感情をニュートラルに戻すための絆の再構築である。

 悪い関係の多くは誤解の積み重ねによって生まれたものである。根本的なところに戻って問題解決をするのでもよいが、それが無理な場合でも、悪意はなかったということにして、とりあえず水に流し、新たな気持ちで一緒にやりましょう、というところにまで上手に持っていくことは、今後もリモートワークが継続する状況においては、とても重要なことだ。

 そもそも、嫌なことを忘れて新たな気持ちで協力関係を取り結ぶというのは、忘年会の主要な目的である。現況に合った何らかの方法を考えて忘年会を実施することは、コロナ下の組織においてとても重要なことだといえるだろう。単に飲んで騒ぐのが忘年会ではない。企画者には、問題解決の場というよりも、個々の「簡単な反省」と互いへの「できたらやってほしい希望」を共有するという文脈で「気持ちの良い場」を作ることが求められる。

 このまま状況の整理をせずに一年が終わってしまうと、多くの社員は「五里霧中」で「ふわふわしたまま」正月を迎えることになるのだ。

(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)