コロナ禍の組織では
情報が決定的に不足している
1. 会社のミッションの整理と明確化
コロナおよびコロナ禍での状況の変化によって、業界内での自社の競争上の立ち位置が変わってしまった可能性がある。顧客の状況も大きく変わっている。この一年の間に新技術が開発されている可能性もある。米の新大統領はエネルギー政策を大きく転換する可能性が大である……など、いろいろなマクロ状況の変化があるはずだ。
そんな中で、いったい自社はこれから何を主力ビジネスとして戦っていくのか。その中で自分の部署は何を目指すのか。他の部署との役割分担や調整の在り方はどう変わるのか。テレワークをしている間に、自分たちがいったいどこにいるのか、何をすべきかなど、会社の大きなビジョンがよく分からない状況になっている。
状況はいまだ流動的であるものの、今、業界や会社はどのような状態にあるのか、今後どのような展開になるのか、会社の向かう方向性と自部署に求められる変化は何か、などについては、部署内で集まってそれぞれの仮説を共有し、今後の準備をしておくことが必要である。
2. メンバーの役割分担や関係の明確化
メンバー同士のコミュニケーションにおいて、必要な調整がしっかりと行われているかどうか、問題が発生した場合に十分に対応できる状況が確保されているかを確認することが重要である。役割分担が不明確になっていたり、メンバー同士の関係が悪化していたりといったケースは一定比率で必ず発生する。
皆がオフィスに出勤していれば、関係の悪さはなんとなく他のメンバーにも伝わり、第三者の仲介などを通して、必要な調整は行われやすい。しかしテレワークなどで、メンバー同士の交流が表出しにくくなっている。個々のメンバーへの期待度合の変化や感情面での関係悪化が知らないうちに進行しており、業務の遂行に直接的な影響を及ぼす可能性が高くなっている。特に悪化した感情面での関係性の改善は、早めにしておきたい。もともと忘年会の最大の目的はこれである。
3.異常検知と対応
ちょっとした異常、ちょっとした異変への感知力が下がっている。気付いてもわざわざ報告するまでもないか、ということで上司や組織内に共有されないことがコロナの下での重要な問題である。
オフィス内での無駄話、雑談の類や会議中のちょっとした思い付きといったコミュニケーションの絶対量が減少しており、組織としての異常感知力が低下してしまっている。ちょっと気になっていることをできるだけ多く表出させる場を持たなければ気が付いたときには大問題になっている可能性がある。このあたりの異常検知については、一度、総検証しておかなくてはならない。