舛添氏
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新型コロナウイルス感染症の拡大が止まらない。首都・東京のコロナ対策を預かる小池百合子東京都知事は「3密」で新語・流行語大賞の年間大賞を受賞したが、「Go Toトラベル」キャンペーンを巡って国と対立するなど混乱が続く。前都知事で『東京終了―現職都知事に消された政策ぜんぶ書く―』を11月9日に出版した舛添要一氏に、小池知事の政治姿勢や都のコロナ対策について聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部記者 岡田 悟)

“敵の戦力”を把握しないコロナとの戦い
小池知事は数字を操作できる余地がある

――著書やツイッターなどで、小池知事や都のコロナ対策を厳しく批判されています。何が問題ですか。

 まず、その日ごとの新規感染者数と、PCR検査数をなぜ同時に公表しないのか。小池知事は、都合のいい時だけ「今日は検査数が何件でした」と口頭で説明するだけで、検査数は1~2日遅れて都のホームページに掲載されます。報道機関もなぜ、日々の検査数をより迅速に公表するよう要求しないのか疑問です。私は強く不満に思います。

――都は、検査数は医療機関から、新規陽性者数は保健所からデータを受け取っていて、双方のデータをひもづけできていないという問題があるようです。

 そんなもの、コンピューターを使えば簡単に解決できます。それをやらせるのが政治家の仕事です。役人に任せておけば、やり方を変えたがりませんよ。戦争に例えると、敵兵の人数、いわば相手の戦力を把握できていない状態です。これで敵と戦わせるのは、特攻隊と同じことです。日本の負けパターンですね。

 また、こうした数字の集計や発表の仕方をしている限り、恣意的な情報操作が可能ではないかと思えます。ファクスの調子が悪かった、保健所から来た書類の字が読めなかった、といった理由を付けて。例えば選挙の前に陽性者数を抑えるといったことも、やろうとすればできてしまうという状態なのではないですか。国と都や一部の県で、重症者の定義が異なるのも問題です。私が知事だったら、全国で統一するよう国に強く求めるでしょう。

 米国では疾病対策予防センター(CDC)、ドイツやフランスでも伝統と権威のある研究機関が感染情報を公表し、国民から信頼されていますが、日本ではそのような発表がなされていません。

 政府のコロナ対策がひどい状況であることは、言うまでもありません。だからこそ、首都である東京都が模範となる取り組みをすべきなのです。正確な数字をセットにして公表すれば、他の自治体もまねするし、全国民が喝采を送りますよ。