体育会系上司は「パワハラ」を代表するハラスメント問題の標的とされ徐々に勢力を弱めています。テレワーク下では、いくら大声を出して威圧しようとしても、部下はパソコンやタブレットの画面の中でしか上司と顔を合わせませんので、迫力に欠けます。小さな画面の中で、顔を真っ赤にして口をパクパク動かしている上司の画像は滑稽でしかありません。

 今までと同じように、力で部下をねじ伏せる、従わせるというようなマネジメントのやり方は、まったく通用しない時代になったということです。圧をかけてパワーで押し切ることはできなくなるので、本当の意味でのマネジメント力が問われることになります。リモートワークで働く部下へは、ごまかしは利かないのです。

リモート・マネジメントの極意『リモート・マネジメントの極意』
岡本文宏著
WAVE出版
1500円+税

 マネジャーとリーダーの違いをご存じでしょうか? どちらも組織の中での「上司」の意味で捉えられる言葉ですが、私は両者を明確に区別しています。

 マネジャーとは、組織の中で辞令を受けて就く「役職」のことです。一方、リーダーとは組織のメンバーから支持され自然に生まれる「役割」です。

 マネジャーの中には、自分のポジションを守りたいがゆえ、権威、パワーをもとにメンバーを束ねようとする人もいますが、リーダーは外圧をかけずとも組織全体のベクトルを一つの方向に向けて、率いることができます。

 今の時代の組織に求められるのは、マネジャーではなくリーダーです。上司がリーダーになるには、部下からリーダーとして認められるような行動、言動を取るようにします。具体的には、日頃からスキル、能力を高めるため自分磨きを継続するということです。