黒人と白人の生活格差をなくすこと

 ここでもう一度、マーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が暗殺された直後のロバート・ケネディ元司法長官の短い演説を紹介します。

 彼は、黒人への人種差別問題は彼らが生まれてからずっとあらゆる面で起こっていると指摘しました。教科書を与えられない、寒い日に暖房に当たれないといった細かな積み重ねが黒人の教育水準を引き上げる妨げになってきたのです。白人との生活格差が重なることで、黒人が潜在的な犯罪者として疑われる行動を生み出し、それ自体が差別を再生産している。これを変えなくてはならないのです。

 この指摘は全くもってその通りでしょう。オックスフォード大学の総長を務めたクリストファー・パッテン男爵も同じ指摘をしています。

 2020年、白人警官に殺されたジョージ・フロイド氏を警察に通報したのは、偽札に気づかずにタバコを売った黒人とヒスパニックの少年でした。問題の根源は至る所にあるのです。

 私は共和党支持者ですが、それでも人種差別問題をひもとき、より良い社会へ変えることを考えると、民主党のジョセフ・ケネディ三世にはとても期待をしています。2020年にトランプ大統領が再選されたとしても、例えば人種差別問題担当の大統領補佐官として、長く米国のトゲであり続けた人種差別問題に取り組んでもらいたいと強く願っています。

 多くの人々にとって、トランプが米国を、そして世界を率いるリーダーとなったのは不本意なのかもしれません。そんな人たちにとっても、この先を明るく照らすリーダー候補たちが存在していることは、明るいニュースとなるのではないでしょうか。