中国の高齢化が進んでいる。それは中国人がより長く働かなければならないことを意味する。ただ、所得の伸び悩みを確実に避けるためには、一段と抜本的な改革も必要になる。世界最大の人口を抱える中国は、ここ10年で急速に高齢化し始めているが、何千万人もが定年退職の年齢に達する中、高齢化のペースはさらに加速するだろう。国連の予測によれば、向こう10年で15歳から59歳までの労働人口が全体の5.5%に相当する6500万人減少する。人口高齢化は大半の先進国に共通する問題だが、中国は一人っ子政策を30年余り続けたため、人口高齢化が多くの他国より急速に進み、しかも所得水準は他国を下回ることになる。中国は最小限しか移民を受け入れておらず、問題の回避はさらに難しそうだ。