一方、新料金プラン「ahamo」は、20GBで2980円となっており、従来プランと比較して明らかに割安である。この金額には1回当たり5分以内の無料通話(回数無制限)が含まれているほか、新規契約事務手数料や機種変更手数料、さらには番号移転手数料も無料である。

 このところ、政府は通信会社を強く牽制する動きを見せていたので、最大手のドコモも相応のプランを出してくると予想されていたが、関係者の中でも、ここまで思い切ったプランになると考えた人は少なかった。競合各社が頭を抱えているのは間違いなく、ほどなくして、ドコモに対抗する割安プランが出てくるのはほぼ確実だ。ちなみにKDDIは、ドコモがahamoを発表した翌日に新料金プランを発表したが、これは以前から予定されていたものであり、ahamoとは比較にならない内容だった。年明け以降に再度、ahamoへの対抗プランを出してくるだろう。

 では、今回のドコモの新プランは通信業界にどのような影響を及ぼすのだろうか。

 もっとも重要なポイントは、通信会社の収益構造上、価格を下げても利益を維持するのが難しいことである。つまり、料金の引き下げはほぼそのまま利益の低下につながるので、各社は大幅な減益となる可能性が高い。従来の利益を維持しようとした場合、別の場所で利益を確保する必要が出てくるので、必ずどこかにシワ寄せが来る。言い方は良くないが、これは壮大なババ抜きゲームとなる。

通信会社のコストは
すぐに削減できない

 通信会社というのは、通信機器に対して巨額の設備投資を行い、その機器を継続的に運用することで利用者にサービスを提供している。機器類は常にアップデートが必要なので、通信会社は毎年、巨額の設備投資と機器のメンテナンスコストを支払っている。

 例えばNTTドコモは、通信機器に関して約2兆5000億円の資産を保有しており、毎年、6000億円近い新規の設備投資を行い、約4500億円を減価償却費として処理している。また、全国の基地局をネットワーク化するため、ドコモはNTT東西から光ファイバー回線を借りているほか、契約者が他社の電話と通話する際の接続料など、年間4000億円もの回線利用料を負担している。通信事業に直接従事する社員の人件費は、わずか740億円にすぎない。